研究

February 22, 2006

オファーの連絡

やったぁぁぁ!

この前(2/8),決勝戦の2次インタビューに行った大学から電話があり,第一候補者に選ばれた,と伝えられた.

やはり縁があったのだ.

オファーレターが来るまでは細かい内容はわからないが,おおむね2度目のインタビューで話し合った内容どおりらしい.大学としても,仕事内容としても,場所としても,これ以上によい条件はないだろうから,きっとこのオファーを受けることになるだろう.

この知らせに,ラボの中は一時騒然となった.みんな口々に I am happy for you. と言って祝福してくれる.そういう言い回しを使うんだ,覚えておこう,とどこかに冷静な部分を保ちながらも,皆の祝福に興奮し,ありがたく思う.

ロジャーはNIHグラント審査のためにワシントンDCにいるので,メール連絡したら,すぐさま Congratulations Shino! と祝福メールが届いてきた.今回のポジションは,私の専門分野とする人が周りに沢山いる.隣りのラボで循環代謝系を専門とするダグに報告すると,そういうようなポジションを得ることができて羨ましくさえ思う,と祝福された.

日本の職を捨ててアメリカに来てから,英語面や金銭面でさまざまな苦労をかけてきた妻は,これで苦労が報われた,と飛び上がらんばかりの喜びだ.ちょうど妻の両親がこちらに滞在しているので,両親に娘のとびきり幸せな瞬間を見させてあげることができて,いい親孝行となった.引越し慣れした5歳の娘も,意味がわかっているのかどうか,「おめでとう!次はどんな家に住むの?」とはしゃいでいる.自らの両親に電話すると,大学合格の時のような喜びをもう一度味あわせてもらった,長生きをしていてよかった,と大喜びだ.自分の周りもみんなハッピーになって,私もいい気分だ.

早速,来週に予定されていた他大学のインタビューはキャンセルし,それ以外にも依頼の入っていた大学にある程度状況を説明しておいた.数日以内に,オファーレターのドラフトを受け取って,それに基づいて条件を交渉していくことになる.その間,家族を伴って大学をもう一度訪ね,最終交渉をすることになるだろう.

我々の分野では,日本で学位(しかも論博)を取得して,アメリカの大学でファカルティ職に就いた人は珍しいと思う.これで,日本で学位取得しても,いい人に恵まれて5年程がんばれば,それが可能であることを示せたと思う.私のこの経験が,日本の若手研究者およびその予備軍に希望を与えるものとなれば幸いである.

とりあえず,私のジョブハンティング公開が,恥ずかしい結果にならなくて,一安心である.



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February 21, 2006

結果第2弾とグラント状況

先月の下旬にインタビューに行った「いい人」の多い大学から,選考結果のメールが届いた.随分と時間がかかっていたので,落選の連絡だろうな,と予想しながらメールを開くと,案の定,そうだった.

ディパートメントにとって,貴君よりも少しばかりベターフィットの人にオファーを出し,その人がオファーをアクセプトされました.貴君は,他の大学でもきっとオファーをもらえるでしょう.

というような内容である.インタビューでは,「君が我々にとってベストフィットだ.君しかいない」みたいなことを言っていたが,やはり,誰にもそんなようなことを言っていたのだろう.それに,私の不満に満ちた気持ちが,きっと顔にも現われていたのだろう.

この大学は,インタビュー時の印象があまりよくなかったので,この連絡はあまりショックを受けずにすんだ.逆に,適材適所というのをお互いうまく選ぶものだな,と感心したものである.

ところで,NIHのプログラムオフィサーから,私のグラント申請内容に関する質問電話がきた.どうやら私のはファンディングのボーダーラインらしく,ボーダーラインに乗っているいくつかの申請のうち,どれを採用するかは,ある程度この人の胸三寸で決まるっぽい.この人曰く,私の申請を採用するためには,上の人達に研究内容の価値を説明しなければならず,そのためにいくつか確認したい内容がある,とのことであった.

とりあえず,質問内容にはクリアに答えたつもりだが,採用されるかどうかは,月末までわからないかもしれない,ということだ.もし,採用されなかったら月末までに申請書を改訂して出さなければならないので,どうしたものかと相談すると,念のため改訂版も出しておいた方がいい,と言われてしまった.

このグラント,採用されることを期待して,まったく改訂していない.まだ,採用されることを期待し続けているが,とりあえずはあと1週間で改訂しなくては...

なかなか思い通りにはいかないものである.



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February 16, 2006

長所と短所

インタビュー2日目の今日のスケジュールは以下の通り.

7:30 Faculty10と朝食
9:00 不動産屋が市内物件を案内
11:00 研究施設案内(Faculty11)
11:30 Faculty12,Faculty13と昼食
1:00 Faculty6,Faculty14と面談
1:30 もう一つの研究施設案内(Faculty1)
2:15 さらにもう一つの研究施設案内(Faculty15,他学部)
3:00 選考委員会(9名)と質疑応答
4:00 学科長(Faculty7)と面談
5:00 さらにもう一つの研究施設案内(Faculty7,Faculty8)
6:30 Faculty11,Faculty17と夕食

この大学は,ノーベル賞受賞者を何人も輩出している,アメリカ有数の州立総合大学である.最近の動きとしては,Interdisciplinaryな研究の推進に力を入れているらしい.

昨日も今日も,異分野の研究者と接する機会があった.そのうちの1つの研究棟の作りが面白い.ビルの両端にオフィスや実験室が配置されているが,ビルの中央部分は各階とも広〜いコミュニケーションスペースになっている.カフェテリアのように丸テーブルと椅子が配置されていて,当然のごとくWiFiである.オフィスや実験室からぷらっと出てきて,たまたまそこにいた人と気楽にディスカッションできる,そんな雰囲気であった.こういうような空間から,Interdisciplinaryな研究の芽が出てきそうな気配が漂っていた.

さて,今回は,セミナーとは別に,選考委員会の前で5ヵ年研究計画を15分程度で発表しなければならなかった.どういうresearch questionを掲げ,それに対してどう取り組んでいくのか,そして,どこからグラントを取るつもりか,ということを含めて発表することが求められていた.

資料を使っていいというので,概念図や実験セットアップ写真などを散りばめた資料を配り,専門外の人にもわかるように,丁寧に説明していった.自分用の資料にだけ,アンチョコとして話すべきことをメモしておいたので,それをちらちらカンニングしながらそれなりに説明できたと思う.

そして次々と質疑応答.

What are your strengths and weaknesses?

これは,インタビューではお決まりの質問とされているが,今回初めて受けた質問である.何を言おうかしばし考えた結果,「私は論理的思考が得意で,それには非常に自信がある」と言い切った.実際,もともと(今でも?)文系なので,論理的に物事を考えたり表現したりすることに対しては,厳しい視点を持っているつもりである.

でも,みんながキョトンとしているので,もう少し付け加えた方がいいか,と思い,
「それにオプティミスティックで,チャレンジが好きで,思い込んだら命がけ」みたいなことを口にしていた.

皆さん,ますますキョトンとしているので,weaknessesについて答えることにした.よし正直にいこう.「整理整頓が苦手なので,時々意識して整理整頓するようにしています」と.それはよくないな〜というような顔をしながらうなずいている.しかし,実はもっと大きな弱点がある.

「それから,実は記憶力が悪くて,物忘れが激しいんです

そう言った途端,「それは(私より年上の)我々の方がもっとひどいぞ」というような言葉とともに,部屋中が爆笑の渦となった.

後で聞いてみたら,strengthsにしてもweaknessesにしても,普通の候補者の答えとは一味違ったらしい.みんな,どんな風に答えているのだろうか?

さて,この質疑応答の後,学科長と1対1の話し合いとなった.学科長は,大学の将来構想計画について説明し,いかにこの将来構想と私の研究内容があっているかを説明してくれた.この大学は,今回インタビューした中で,私の気持ちの中では,トップ2のうちの1つである.また,学生のレベルやよくある大学ランキングでも,トップ2のうちの1つである.現在の自分の研究内容に直接大きな影響を与えてくれそうな人は学科内にはいないが,カレッジあるいは大学全体としてみると,大きなポテンシャルとサポートを感じる.

学科長には気に入ってもらえたようで,彼は私がいつまで on the market であり続けるか,しきりに気にしている.もしかすると来週あたりまでと言うと,場合によっては他のインタビューが終わる前に何らかの決断をするかもしれない,と言ってきた.

もし,トップ2両方からオファーが来たらどうしよう? などと,数日間限定の夢物語に浸ってみることにしよう.



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February 15, 2006

カレッジ単位の新規採用

大学の教員採用には,いくつかのパターンがある.一番ありがちなのは,他大学への移動やリタイアでできた穴を埋めるため,似た分野の人をディパートメントが採用するパターン.いわゆる欠員補充である.

次にありがちなのが,ディパートメントの中で,ある分野をこれから強くしていこうと,カレッジから枠(予算)をもらい,新たに追加要員としてディパートメントが採用するパターン.あまり成長力のないディパートメントでは前者が多いが,成長力のあるディパートメントでは後者が多い.この場合,追加要員による大幅な成長を目論んでいるので,厳しく吟味して将来性の確かな人を採用し,その人が成功するための十分なサポートをするが,その分,期待度も大きい.私のインタビューはほとんどがこの後者パターンであった.

今回はもう一つのパターンで,カレッジとしての新規採用である.大学が打ち出した将来構想を実現させるよう,各カレッジもそれに貢献する将来構想を練っていく.その構想の一部として,重点研究領域を設定し,その専門家をカレッジ単位で新規に採用するのである.

今回の重点研究領域は,Agingである.ディパートメントではなく,カレッジとしての採用なので,選考委員は各ディパートメントのヘッドを中心として構成されている.9人の選考委員のうち,私の専門分野のディパートメントからの委員はたったの2人で,あとは心理学,スピーチ学?,旅行学,工学など,専門外の専門家達なのである.この人達が,私の研究内容がいかに他の分野と関わりを持つ可能性があるかどうかを探りながら,私を評価していくようだ.

インタビューに呼んだ候補者は全ディパートメントあわせて9人で,私の専門分野のデパートメントからは私しか選ばれていないらしい.インタビューの後,この9人の中から,ディパートメントに関係なく3人を採用するという.

今日のスケジュールは以下の通りであったが,今日1日かけて,この仕組みがわかったのが一番の収穫であった.

8:45 Faculty3(他学部)と朝食
10:00 Faculty4(他学部)と面談
10:30 Faculty1と面談
11:30 Faculty5,Faculty6と面談
12:15 院生(1名)と昼食,キャンパス案内
1:30 セミナー準備
2:00 セミナー
3:15 カレッジのDeanと面談
4:00 ホテルに帰還
6:30 Faculty7,Faculty8,Faculty9(いずれも選考委員)と夕食



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February 14, 2006

今度はID忘れ

今日はインタビュー先への移動日.今回の細かいスケジュールは,昨日の夕方,相手先の秘書がファイルを添付せずにメールして帰宅してしまったため,今朝の出発直前まで手にすることができなかった.妻曰く「こんな出だしじゃあ,縁がないんじゃない?」と.

そんな不吉な予感が,また別の場所で顔をのぞかせてきた.空港のセキュリティ入口で免許証を出そうと財布を手にしてみると,免許証が見つからない.そういえば,別のズボンのポケットに入れたままにしていたかもしれない.

ヤバイ! IDがないと飛行機に乗れない=大学に行けない=インタビューができない.この前の飛行機予約忘れの二の舞いではないか,と一人ツッコミをしながらも,セキュリティに食い下がる.

ここはアメリカ.言えば何とかなるものである.結局,体中を触診され,カバンの中をすべてチェックされたりして時間がかかったが,何とかセキュリティを通過することができた.ほー,こういうことになっているんだ,と一つ新しいことを学んだようないい気になってしまった.

4:30 Faculty1が空港からホテルまで送ってくれる(その後休憩)
6:30 Faculty2とFaculty3(夫婦)と共に夕食

Faculty2(夫)はNIHグラントを取り続けている優秀な人で,数年前,他大学から引き抜き(の話)があったらしい.優秀な人を引き抜かれたくないので,現大学としては引き抜き先よりも良い条件を出して引きとどめなければならない.その結果,給料の大幅増加とともに,隣町の小大学に勤めていたFaculty3(奥さん)をテニュア付きで採用する,という条件でFaculty2は引きとどまることにしたらしい.優秀な人の所には次々と良いことが起きてくるのだ.



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February 08, 2006

決勝戦

3人の候補者のうちの1人として数週間前にインタビューに行った大学に,今回は上位2人に絞られた候補者のうちの1人として再びインタビューに行った.いわば決勝戦である.スケジュールは以下の通り.

8:30 選考委員(Faculty1-4)と面談
10:00 院生3名と面談
11:00 院生1名と面談
11:30 Faculty1,Faculty5と昼食
1:15 Postdoc1名と面談
2:15 ラボスペース等の確認
3:00 選考委員長(Faculty1)と面談
4:00-4:30 Deanと面談
6:00 Faculty1,Faculty2と夕食

しょっぱなの選考委員会との質疑応答では,前回よりも具体的な質疑応答が多く,たとえば次のような質問をされた.

 現在のプログラムに対してどのようなユニークな貢献ができるか
 どういう科目の授業をしたいか(学部? 大学院?)
 一番最初にどの実験をどういう風に進めるつもりなのか
 研究を進めるにあたって,どのような人的資源が必要か
 誰と共同研究する可能性があるか など

私の方からは,あれ以来ずっと気にかかっている,院生のモチベーションに関する質問を投げかけてみた.これが予想以上に結構なディスカッションになり,院生のモチベーションはメンターの態度に大きく依存するのではないか,という意見が多かった.メンター自身が常にinteresting research questionを投げかけ,それに取り組んでいるかどうか,ということが大事であると.

やはり,この人達とはしっくりくる.エネルギッシュで前向きな姿勢が,私の楽天的な性格と響きあい,何かが生み出されてくるような気配さえ感じる.院生のモチベーションが気になった前の大学では,「すべての院生が研究者になるわけではないから」とか「時代の流れではないか」とかいう,責任回避的な回答が多くてがっかりしたものだったから.

その後,院生やポスドクと話をしてみると,やはり彼らのモチベーションはとても高く,将来の夢を語る彼らの輝き豊かな表情に,学生時代の自分の姿を思い懐かしまずにはいられなかった.

選考委員長との面談では,数日前に提出したスタートアップ費用やラボスペースのリクエストも,リーズナブルだとの返事をもらった.引き続き,実際にラボスペースやオフィススペースを見せてもらったのも,現実感が出てきてワクワクする経験だった.

さて,メインイベントはDeanとの面談.
"Please tell me about yourself"
インタビューではお決まりの質問とされているが,なぜか今まで聞かれたことがなかったので,何から話していいかしばしとまどった.

自分がやっていたトライアスロンの成績を高めたくて運動生理学の世界に入ったが,その後,研究の面白さを知り,研究に力を入れることになった.日本ではそれなりにいい仕事ができる職に就いていたが,在外研究でアメリカに来てみたところ,こちらに来ればもっといい仕事ができる可能性が高いことに気づき,日本の職を捨ててやって来た.

こんなことを話したら,「我々のカレッジの発展のためには,常により良くしていこうと,失敗を恐れずに大胆に行動していく人が必要なんだ.君はトライアスロンをやっていたとは,エネルギッシュな人に違いない.それに日本のファカルティ職を捨ててまで来るとは,失敗を恐れない,チャレンジ精神に満ち溢れた行動力のある人だ.」

と,思いもかけぬお褒めの言葉いただいてしまった.自分の本能のおもむくままに行動してきただけのことをプラスに評価してもらえるとは,何ともありがたい.やはり,こことは縁があるのだろうか,と思ってみたくなる.



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February 01, 2006

近隣大学へ

今日は,「共同研究の可能性を探る」という名目で,この大学から車で2時間半ほどの近隣大学のある先生を訪ねることにした.親切にも,知り合いであるPostDoc1が車を出してくれた.

さて,この先生は私の信頼する先生で,一度そのラボを訪ねてみたかった.案の定,実験器具には色々なティップがちりばめられており,その一つ一つを惜しみなく私に教えてくれた.何といいタイミングでここに来たんだろう.これから新たなラボを開設しようとしている私にとって,とても貴重な情報である.おまけに,デジカメを貸してくれて,写真をメールで送ってくれるという.何といういい人だろう.

とてもいい先生なので,PostDoc1には席をはずしてもらい,私のインタビュー状況を説明し,どのポジションが一番いいだろうか,という相談をすることにした.結果,この先生の判断は,私が一番と思っていたのと同じポジションであった.こういう信頼している先生からアドヴァイスをもらえるととても心強いものである.もし,うまくいったら,お礼参りを兼ねて,またこのラボのセッティングを見学しにくることにしよう.

2時間半かけてインタビュー先の大学に戻り,飛行機に乗って家に到着したのは夜中の11時であった.いつまで体がもってくれるだろうか.



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January 31, 2006

インタビューのドタキャン

今日の結果は以下の通り.途中,あるママさんFacultyから連絡があり,その人との面談がキャンセルされてしまった.理由は「ベビーシッターが見つからないから」らしい.はぁ? 子供を連れてきてもいいから面談すべきなんじゃあないの? と面食らった.

8:00 Deanと面談
9:00 Faculty1(選考委員長)と面談,ラボ見学
11:00 Faculty5と面談
12:00 学生15人ほどと昼食会
1:30 学部長と面談
2:30 Faculty5と面談
3:30 Faculty6(他学部)と面談
4:00 Faculty7(他学部)と面談
6:00 Faculty1(選考委員長),Faculty4,Faculty8と夕食

色々な人に会って話をしていると,どうも私がどの大学でインタビューを受けているか,上層部の人達は知っているようである.狭い世界なので,各大学の上層部達はみなツーカーの知り合いであり,色々な情報が上の方では飛び交っているようなのだ.

さて,どうやらこの学部も,これからはグラントの取れる人のみを採用していって,強い学部に変革していこう,という動きらしい.Deanも学部長も大型グラントを取るのが当たり前,というような話の進め方だ.当然のごとく,6年以内に大型グラントを取らないとテニュアを取れない=クビ,という話になってくる.

しかしその反面,いい研究を始めるためにできる限りのサポートをしてくれる.授業は1コース/セメスターだし,それも最初の年は免除してくれる.実験室も,かなり広い部屋を好きなように使っていいという.学部長は,最後の別れ際に「他の大学に返事をしたくなっても,絶対にその前にウチに連絡してくれ」と言ってきた.本当に欲しい人を決めたら,他の大学よりも良い条件を提示するだけの(金銭的な)余裕があるようだ.

それにしても,昨日の首振り事件と,今日のドタキャン事件がヤケに印象に残ったインタビューだった.



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January 30, 2006

飛行機予約忘れ

今日はかれこれ4ヶ所目のインタビュー.近場なので,午後から面談,夕方にはセミナーがある.

飛行場に着いてさてセルフチェックイン,と思ったら「予約されていません」とのメッセージ.これまでのインタビューでは先方が予約手続きをしてくれていたが,そういえばこの大学は自分で予約するように言われていたような気もしてきた.

急いで発券カウンターに行って確認してもらったが,やはり予約はされていない.

ヤバイ,満席だったらインタビューできないじゃん

とビビリながら空席を確認してもらう.と,運良く空席があったのでホット一安心.毎週ぶっ続けで旅行ばかりしているので,こんな基本的なこともいい加減になってしまっていた.さいさきの悪い出発である.

さて,きょうのスケジュールは以下のとおり.

朝の飛行機
11:00 到着
12:00 Faculty1(選考委員長), Faculty2, Faculty3, PostDoc1と昼食
1:30 Faculty2と面談
2:30 Faculty4と面談
3:30 セミナー準備
4:00 セミナー
6:00 PostDoc1, PostDoc2, Student1と夕食

Faculty4はR01を常に複数持っているモーターコントロールの大御所なので,少し緊張しながら面談に挑み始めた.しかし面談慣れしているためか,いつの間にかまたもや持論の展開を始めてしまっていた.お題は「モーターコントロール学者と生理学者の視点の違い」について.

自分をきちんとわかってもらおうと思って素直に表現しようとすると,どうしてもこんな風になってしまう.しかし,この人は私の意見を「面白い見方だ」といって,興味深く聞いてくれた.さすが大物である.

セミナーでは,Faculty2(選考委員の一人)が盛んに首を横に振りながら聞いていた.どう見ても「そんな研究はおかしいぞ」と言いたげな首振り加減だったが,「この人,眠いのを我慢して首を振っているのかな?」と都合よく勝手な解釈をしながら話を続けることにした.

10分程すると聴衆から質問が出てきた.「えっ,途中で質問が入るなんて聞いてないよ」と思いながらも,方法の確認だったので,軽く答えながら進めていった.すると,次から次へと質問が出てきて話が何度も中断されてしまった.これじゃあ時間通りに終わらないかも?とドキドキしながらも,何とか時間内に発表を終えることができた.後で聞いたら,ここではジョブトークでも発表中に質問するのは普通らしい.

セミナー後は,ポスドク&学生のみで夕食.ファカルティなしの夕食は始めてで,リラックスして美味しいビールを飲むことができた.



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January 27, 2006

とりあえずの結果

とうとう,インタビューの結果が出てきた.

まず,1/4に初めて電話インタビューした所(解剖学を教えられない,と答えた所)から,「これ以上は検討しないことになりました」とのメールが来た.教育負担が3コース/セメスターと多いのが気になっていたので,断られてもあまりショックを受けなかった.縁がない相手だったのである.ただ,最初の結果がネガティブというのが縁起悪い.

その後,1/18-20にインタビューをしに行った,グラント重視の大学からメールが入ってきた.「選考委員満場一致でトップに選ばれました」という一文を見た途端,オッと小躍りしたような気分になった.どうやら,私の批判的な演説もそれ程マイナスではなかったようであり,少し見直した.

ところが,よく読んでみるとこんなことが書いてある.「ただし,我が学部の方針として,グラントを持っていないと採用できないので,現在申請中のあなたのグラントが通り次第,正式にオファーを出すことにします」ということだ.

ということで,オファーではなく,暫定一位という報告らしい.欲しいのは私ではなくグラントか,とちょっとがっかりした気分になった.まあ,でも,認められるということはうれしいことなので,とりあえずは素直に喜ぶことにしよう.

そして夕方,1/12-13に最初にインタビューに行った所から電話が来た.良くても悪くても連絡が来ると聞いていたので,良い連絡とは限らない.ここは希望順位としては上の方なので,ドキドキしながら耳に集中する.「3人の候補者のうち,上位2人に入りました.もう一度この2人を呼んで,Deanに会ってもらうことになりました」

そういえばこの前はAssociate Deanには会ったが,Deanには会っていない.でも,わざわざDeanに会うためにまた行くの?と不思議な気分だ.選考委員にももう一度会うが,プレゼンテーションもチョークトークもない.あと,ラボスペースを確認してもらいたいということと,スタートアップ費用の検討をしたい,ということらしい.まあ,この前のが準決勝で今度は決勝進出と思えばいいか,という感じである.

そして帰り際,昨日電話インタビューのあった大学から,正式にキャンパスインタビューの依頼がメールで届いた.

まだ何もはっきりとした結果は出ていないが,キャンパスインタビューした所からはまだどこからも断られてはいないということで,まずまずの滑り出しと見てよいだろう.良いところしか見ない私である.



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