July 20, 2006
アメリカの大学事情
たまたま同じボゥルダーで仕事をしている「アメリカの大学事情」ブログの著者と会食をした.各州の高等教育政策責任者が,他州の状況について情報交換をするための手助けをする,という仕事をしているらしい.その組織がState Higher Education Executive Officers という名前であり,その本部がボゥルダーにあるという.これもボゥルダーつながりの縁だ.
さて,アメリカでは州が違えば法律が違う,というように教育政策も各州によってまちまちだそうだ.それでも,教育を自州を豊かにするための投資としてシビアにとらえている,という共通点があるらしい.
つまり,いかに優秀な人材を自州で育て,いかに自州に残ってもらえるようにするか,という視点で高等教育政策をダイナミックに行なっているそうだ.たとえば今度私の住むジョージア州では,成績優秀者には授業料免除で大学に入れるという制度があるらしい.
優秀な人材はいわば「金のなる木」なので,そのような人材を自州で育て,自州にキープできるよう,州間で競争しているのである.そう,アメリカでは研究だけでなく,教育でも競争原理が働いているということだ.
教育をお金と結びつけて即物的に考えることには,もちろん賛否両論があるだろう.しかし動機はともあれ,将来を担う若い人材を大切にし活用するために,政治が競争意識(と危機感)を持って教育政策に力を入れている,という動きは支持できると思う.
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