June 07, 2006

ヒト実験の倫理

NIHグラントを異動先の大学に移すためには,移る前に異動先の大学のIRB(Institutional Review Board)を通さなければならない.IRB会議は月に2度あると聞いていたのだが,Websiteを見ると月に1回しかなく,既に今月の提出〆切は過ぎてしまっていた(汗).

慌ててIRBのディレクターに連絡したところ,色々と便宜を図ってくれることになった.この大学のIRBはすべてオンライン申請であり,進んでいるなー,と思ったのも束の間.次々とWebページをくくりながら申請を進めていかなければならず,これがかなり面倒くさい.

コロラドのIRBと比べて特に重点がおかれているのが,被検者の人権について.被験者の中に,以下のような人達を含めるのかどうか,という項目がある.囚人,経済的に困っている人,教育をあまり受けていない人,英語を母国語としない人,妊娠している人,...さらに,そのような人達の人権と福祉を守るため,どのような特別な注意を払うのか記述せよ,などなど.

これは結構ナイーブな問題なので,アメリカで必須となっている「ヒトを用いた実験における倫理」に関する標準教育のCITI(オンライン教育&テスト.アメリカではこのテストを通らなければヒトを用いた実験に参加できない)を参照しながらじっくり考えてみる.

さらに,コロラド大用に書いていたプロポーザルをこちらの形式に合うように書き写さなければならなかった.オンライン申請では,アブストラクト,守秘,プロトコール,リスク・ベネフィットなど,項目ごとにファイルが分かれていたり,求められているものが微妙に違ったりしているので,書き写し作業だけで何時間もかかってしまった.何だかなー,という感じである.

そんなこんなで,IRB申請書の書き写しだけで半日かけても終わらなかった.しかし,IRB一つとっても,複数のものを見るということはためになるものである(と前向きに考えることにしよう).



shinojpn at 00:00│Comments(3)TrackBack(0) 研究 

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この記事へのコメント

1. Posted by M   June 13, 2006 02:14
初めまして、Mといいます。
全くの門外漢の一般人ですが、生命や寿命や体の構造・機能・運動・トレーニングや精神や性格・思考・知能・創造力等に興味があり、偶然こちらを知り楽しんでいます。研究は細分化されてますが、全体像が掴めているんでしょうか?考えると気が遠くなりますけど、一秒間に体全体でどの位の化学反応が起こっているんですかね。全てじゃないにしろ、それぞれが複雑な反応で働きも一つとは限らないし不定期に再現するかもしれないし、それを仮説を立てて実験して修正・理論化し、他の研究と体系化していくのは途方もないですね。
働きを解明・説明・操作できる日は、地球が太陽に飲み込まれる前に来るんですかね?(笑)
つづく
2. Posted by M   June 13, 2006 02:17
余談でご存知か興味があるか分かりませんが、10年以上かそれ以上前にテレビのニュースで米国で冷戦中に、妊婦や労働者に核戦争での人体への影響を調べるために、被験者に告知せず偽ってプルトニュームを注射して経過観察していたと何故かエネルギー省(庁?)が認めたとやってました。不思議なことに、私はそれとほぼ同じ内容だけど注射するのは宇宙人が地球人にですが米国映画「〜バーニング」で小さい頃から何度も見ていたんです。偶然の一致か分かりませんが、おそらく米軍は他にも人体実験してると思います。査察のない広大な基地に、どんな手段を使っても覇権を維持したい権力者と、多数の好奇心や野心・発想力・技術や行動力のある研究者、多額の研究費や最新施設や時間があればやらない方がおかしいです。厳しいと言っても、信仰心が強くても原爆を作って落としたし。倫理観なんてあってないようなもので、便宜的・体裁ですよね。
つづく
3. Posted by M   June 13, 2006 02:20
5年以上前にも、NHKスペシャルで遺伝子の特集で宗教団体が優秀なスーパーベイビーを作ってしまうと懸念してましたけど、合理主義ですからやってしまえば司法取引で技術を手に入れるでしょう。
米国は、第二次大戦で日本の731部隊の研究成果を同様に手に入れましたし。私は、人生は一度なので生きてる間に最新の技術や裏も知りたいんですが無理でしょうかね?
長くてつまらない話でしたね、たまにでも可能なら素人にも分かるように研究の話をして下さい。Shinoさんが、充実した研究生活を送り目的を達成する事を祈ってます。

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