November 09, 2005
アメリカ発blogから日本研究界の改革?
実は,このblogの再開に踏み切った理由はいくつかある.そのうちの一つが,私が日本で昔からお世話になっているある偉い先生からのメールである.
以前,「研究者/教育者という立場を最後に飾る仕事として,日本の若手研究者育成について何とかして欲しい」というお願いをしたことがある.その先生から「その宿題を始められそうなので協力して欲しい」というメールが来たのだ.これではまるで私の方が偉い先生みたいに聞こえてしまうが,やはり本当に偉い先生というのは,立場や身分に関わらず,人の意見を大切にしてくれる.
なんと,あの日本学術会議の科学者委員会委員になったそうである.学会推薦ではなくて学術会議が選んだそうだから,我々のようなマイナーな分野からすると快挙である.で,その仕事の中に科学者支援として若手育成が入っているので,現在の研究動向や研究者育成について,私から様々な情報や意見を入れて欲しい,ということである.
私の戯言を覚えていてくれたことも嬉しいが,こんなに偉い先生が私を頼りにしてくれることはまた嬉しい.もし日本にいたらこの先生の黒幕として大活躍したかったところだが,今は,こちらの本業で手一杯である.それに,私個人の情報や意見は非常に限られている.そこで,このblogを活用して色々な人からの情報や意見を集め,それが日本の若手研究者育成の改革につながっていけば,と思った次第である.
日本学術会議といえば,会長の黒川清氏がアメリカでの優秀な経験を元に,大胆かつ的を射た意見を披露している(以下のwebsiteに出ている彼のarticlesは,初期の頃から読んでみるととても興味深く,共感する部分が多い.).
http://www.kiyoshikurokawa.com/
日本は変化に時間のかかる国だから,まだまだ先になるのだろうが,若手研究者育成も,いつの日か随分と変わるに違いない,と期待したい.
といっても,周りから何とかしてもらおう,という気持ちでは物事は進まないだろう.先ほど,テレビ関係の仕事をしている知り合いから「アメリカでの仕事に集中すべく腰を据えるために,日本で持っていたマンションを手放しました」というメールが来た.やはり,大きな夢を持ち,それを実現しようという強い思いを持っている人は,気合いの入れ方と行動力が違う.研究の世界ではないが,将来への大きな期待があるからこそ,将来への不安を大きくすることにも勝てる,そういうような気持ちから来る大胆な行動には,心から共感でき,かつ励まされる.
このblogの読者は日米双方で活躍している若手研究者が多いと思う.しかも,日本が好きだからこそ日本の研究界システムについて問題意識を持っている人が.というわけで,今後の私のblogに呼応して,読者皆様からの建設的な情報・意見がいただけることを楽しみにしています.それが,日本学術会議に直接つながっていくのですから.
「アメリカ発blogから日本研究界の改革」というのもオツでしょう?.
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この記事へのコメント
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051202i401.htm
若手に独立した部屋や専任のスタッフを与えて“一国一城の主(あるじ)”として活躍させ、教授を頂点にした階層構造に変革を迫る。
↑こんにちは、shino さん。話題振ってみました。
まずは試験的に、ということでしょうが年間数十人の独立を助ける規模でどの程度の効果が期待できるでしょうか。職のタイトルは何になるのでしょうか。若手を助教授として研究室を主宰させることはすでに始まっているようですが、それとはどう違うのでしょうか。いろいろ気になりますが、能力のある若手から成果を引き出す、よい試みだと思います。これからは独立した若手とそうでない若手とわかれていきそうですね。